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一方で、ケニア北西部の牧畜民ポコットの子どもたちをはじめ、ケニアの他の周縁地域の子どもたちは、それぞれの地域における生業への参与に勤しみ、勉強にはほとんど手を付けていない、と聞いている。家事手伝いだけでなく、農村地域の子どもたち1)は、畑仕事のお手伝い、牧畜地域の子どもたち2)は、放牧のお手伝いなどをしているそうだ。そうした生業に従事する生活のなかでは、コロナに対する緊張感は、あまり感じていないという。周縁地域であっても、地域コミュニティ、あるいは家庭によっては、自宅敷地内へやってくる訪問者に対して、マスク着用や手洗いを要求している場合もあるようだが、多くの場合では「マスク着用などの規則を守るのは、町で警察に捕まらないためだけのもの」でしかないそうである。
ケニア周縁地域の子どもたちも、一応マスクを所持している場合があるようだが、装着する機会はめったにないという。ケニアでは、4月上旬ころから、およそ50円~100円ほどの布マスクが都市部・周縁部を問わず、広く出回るようになっている。しかし、町に行かないことを理由に、マスクすら買っていないという人びと(主に、老人、女性、子ども)も多い。